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社長コラム第2弾
2017/12/04
価格のメンテナンス・保守の大切さ
適正価格の維持管理の難しさ
世の中の一般常識になっているソフトウェア、ビルや建物などのメンテナンスや保守。日々、人の工数をかけてメンテナンスや保守をやる事でそれぞれ使用できる寿命が長くなります。
この「メンテナンス」や「保守」をやらない場合の状況を、ソフトウェアを例に説明すると、ソフトウェアが陳腐化したり、時代遅れになったり、新しいセキュリティ対策をしないためウィルスにやられたりします。それでは、これを購買に置き換えて考えてみます。
最初に正しい購買プロセスを経て「適正価格」を取得しても、以降同様の購買プロセスを踏まずに放置していると、より安い価格の取得機会や同じ価格でも好条件(サービスレベル)に変更できる機会をみすみす逃してしまいます。これは市場に比した「適正価格」を維持できていない状態であるという事です。そのため、契約の更新時(自動含む)には必ず、新たに契約交渉をした時と同様に正しい購買プロセスをしく必要があるのです。
特に間接材においては売り手と買い手に情報格差があり、一度コスト削減が実現できたとしても、情報の格差を常に埋め続ける努力をしないと「適正価格」は維持できないのです。つまり、ソフトウェアやシステムを常に利用できるようメンテナンス・保守が
必要なように、「適正価格」を維持するために「価格のメンテナンス・保守」のような継続的な手段を講じる必要があるのです。
その手段は、適正価格と適正価格に見合ったサービスレベルを維持できているかの情報格差を常に埋め続ける事で、“価格”・“サービスレベル”・“品質に対する価格”を確認し続け、チェックし続ける事なのです。もちろん“仕様”や“売り手企業”のメンテナンス・保守も必要です。この間接材の「適正価格」のメンテナンスや保守は購買している「もの」や「サービス」の特性によって、頻度や間隔が決まってきます。
例えば、「サービス」などの業務委託契約のように1年おきに契約更新するものは、定期的に実施するだけで十分です。このように、一度適正価格化したとしても、継続的な「メンテナンス・保守」を怠ると、すぐに元に戻ってしまうというダイエット後のリバウンドと同じような事が、購買の価格についても起こってしまうということをご理解いただけたでしょうか?
著者:谷口健太郎 書籍:間接材購買戦略-会社のコストを利益に変える-
(東洋経済新報社)より一部抜粋
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