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コラム
2022/08/29
対応しないとどうなる? 「インボイス制度」と「改正・電子帳簿保存法」
2023年10月から施行される「インボイス制度」と、2022年1月より改正施行され(2年間の猶予期間を経て)2024年1月に電子取引情報のデータ保存が義務化する「電子帳簿保存法」。
これらに対し企業が理解しておくべきことや対応しないとどうなるのか? についてお話しいたします。制度の概要
インボイス制度:
2023年10月1日から開始予定の、消費税の仕入税額控除の方式についての通称です。
このインボイス制度の開始にあたり、制度に対応した「適格請求書(インボイス)」の交付や、経過処置にともなう会計上の対応などが必要となります。また、「インボイスの適正保存」が義務付けられており、保管義務は送付側・受け取り側双方に課されます。売り手、買い手のどちらかだけが対応すればいいというわけではありません。電子帳簿保存法:
電子帳簿保存法は1998年に税制改正の一環として制定された、国税関係帳簿や書類に対して電磁的記録(電子データ)で保存することを認めた法律です。
2022年1月の改正施行で「電子取引情報」の書面保存が禁止となり、PDF等で授受した電子データは「電子データのまま」での保存が義務づけられました。
紙へ出力して保存したものでは税務上(法人税、所得税)認められなくなります(現在は2年間の猶予期間中で、2024年1月から義務化されます)。
対応しないとどうなるのか?
インボイス制度:
「インボイス制度」に対応ができていない場合、仕入税額控除ができないというリスクが発生します。
仕入税額控除を受けるためには「適格請求書発行事業者(登録事業者))」が発行したインボイスの保存が必要となるため、登録事業者以外から購買をした場合には原則として仕入税額控除が適用されなくなります。自社が「売り手」の場合、登録事業者にならないと、買い手企業にインボイスを発行する事ができません。また、買い手企業から仕入税額控除ができなくなることを理由に取引を躊躇われたり、仕入税額控除分を考慮した調整が必要になる可能性があるでしょう。
自社が「買い手」の場合は、正しく対応をしていないと仕入税額控除が認められず、消費税の納税額が増える可能性があります。
電子帳簿保存法:
2022年1月改正施行より電子取引情報のデータ保存の対応が法的義務となりました(現在は2年間の猶予期間中で、2024年1月から義務化されます)。「要件に従ったデータ保存がされていない」場合には、税法上保存義務がある帳簿書類として取り扱われないため、青色申告承認取消や、連結納税承認取消のリスクが発生します。
今回の改正施行では、タイムスタンプ要件、検索要件等の大幅緩和など、各制度の要件が大幅に緩和された一方、電子取引情報のデータ保存法的義務化以外にも、スキャナ保存や電子取引データ改ざん等による申告漏れに課される重加算税が10%加重されるなど、違反に対する制裁が強化されました。
制度への対応 何からはじめるか?
まずは現状把握が必要です。自社の現行の対応方法を確認し不足の有無を把握しましょう。
すでに会計上のサービスやシステムを導入している場合は、それがインボイス制度や改正電子帳簿保存法に対応可能なものなのかを確認しましょう。その後、自社の方針の決定、システムやサービスの選定(導入済みの場合はバージョンアップなのかリプレイスなのか等)、社内運用の検討、内部統制の準備、運用開始、モニタリングなどを進めます。
決定や、対応することが実は盛りだくさんなので、時間的余裕をもって取り組むことをおすすめします。まずは要件を理解し、自社の事業への影響を把握して計画的に対応を進めることが必要でしょう。
まとめ
電子帳簿保存法は導入を検討するという法律から、すべての事業者にかかわる法律へと位置づけが変わってきています。インボイス制度と併せ、多くの企業にとっていろいろな影響があると考えられます。
「知らなかった」では済まない事態も起こり得るので、法改正に関する情報には常にアンテナを張っておくことをおすすめします。制度の詳細は国税庁のWEBサイトをご参照ください
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