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コラム
2018/10/30
貴社も知らずに被害者に?! 新しい販促費の真偽を見極めるには?
今回も広告/販促費のお話です。
近年、SNSが持つ影響力は右肩上がりで、
ネット上で情報発信する個人の影響力は今までのマスメディアに匹敵するようになってきました。
前回は、影響力をネット上で持つ”インフルエンサー”に自社のサービスを紹介してもらう広告手法、
いわゆるインフルエンサーマーケティングをご紹介しました。
新時代の販促手法を御案内しましたが、
新しい仕組みのため業者の質もバラバラです。
今回はインフルエンサーマーケティング会社の選び方を考えてみましょう。
◆紹介されたインフルエンサーの影響力は?
老若男女問わず幅広い層に影響力がある人であれば、
その人の名前である程度の影響力が想像出来ますね。
ですが自分と違う層に影響力がある人の名前を聞いてもピンとこないもの。
影響力を把握するためには具体的な数字が必要です。
影響力の指標には多様な種類があるのですが、
宣伝をしてもらう時に関係する数字をザックリと大別すると下記のようになります。
①直接の販売貢献
オンラインストアなどへ誘導して購入してもらった売上や利益
②サービス(商品)サイトへの誘導数
宣伝をしてもらった結果、自社のサイトに訪問した人の数
③宣伝自体の閲覧数や反応数
インフルエンサー自身の投稿がどれだけの人に見られたか、どれだけいいねやRT、コメント等の反応があったか
④インフルエンサーをウォッチしているアカウントの数
インスタグラムやTwitterのフォロワー数、youtubeのチャンネル登録数など
お客様が実際にウェブで購入をする時の行動は④⇒③⇒②⇒①の順に実際の数字となり、
依頼する時点で数字が読みやすいのもこの順番になります。
(ウェブ経由でない購買影響を見る場合、①②の指標に代わるものが必要ですが今回は割愛します)
そのため④を主な基準として広告費用を定める企業が多く、
会社とインフルエンサーは、フォロワー数に比例する広告費を分け合う形になります。
◆フォロワー数10万人で影響力ゼロのインフルエンサー
ここで問題が2つ発生します。
1つ目は投稿のクオリティーに悪影響が出ること。
フォロワー数の多寡で収益が決まることになれば、
インフルエンサー側としては実際の売上は自分の収入と関係がない話になります。
お客様に対して商品購買を促すインセンティブは薄れるため、
ただ漫然と事務的な投稿をされてしまうリスクが発生します。
2つ目は収入を増やそうとフォロワー数を水増しすること。
フォロワー数が多いほど金儲けになるなら、
それを生業にしているインフルエンサーは当然フォロワーを増やしたい。
でもフォロワーを増やすのは大変なので、できれば楽にフォロワーを増やしたい。
そこに目をつけた倫理観の無い業者。
SNSのアカウントを大量に作成し、フォロワーを増やしたい人や企業にフォロワーを販売するのです。
アカウントの質(アイコン設定の有無など)にもよりますが、
1フォローが1円以下で売買されているのが散見されます。
広告単価が1フォロワー4円だったら、フォロワーを1円で購入しても3円も黒字が出せてしまいますよね。
◆広告主を騙す偽インフルエンサー
フォロワーは金で買える。そしてフォロワーの水増しを行う個人や企業は後を絶ちません。
SNS側もこのような不正なフォロー用アカウントの削除を進めており、
今年の夏には某アイドルグループのメンバーのフォロワーが突然何十万も減りました。
(業者を使った水増しではないかと噂されています)
しかし今日も新しい偽アカウントは作成され、
大量の偽フォロワーを抱える”偽インフルエンサー”も創られています。
ほとんど詐欺のような話ですが、
お金でフォロワーを増やした新規のアカウント(人間は実質誰も見ていない!)の売込みをかけたところ、
金銭の授受を含むブランド契約が獲得出来てしまったという実験もあります。
フォロワー数に騙された広告主は、
お客様が1人も見ていないネットの海に広告費をバラまいてしまったのです。
◆マーケティング会社自身が騙されているケースも
このようにフォロワーの水増しで騙されるのは広告主だけではありません。
偽インフルエンサーは時にマーケティング会社をも欺き、自らを売り込みます。
マーケティング会社側も、
丁寧に身元確認まで行う会社から事実上何の調査もしない会社まで対応方法はバラバラです。
しっかりとしたマーケティング会社を見極めるにはどうすればよいでしょう?
◆”フォロワー数” より “反応” が大事
ここで前述した影響力の指標に立ち戻りましょう。
①フォロワー数⇒②投稿の回覧数⇒③製品サイト訪問数⇒④購入数のように、
単純なフォロワー数と比べて実際の売上に近い指標は存在します。
マーケティング会社側も全ての情報を入手できる訳ではないのですが、
マトモなインフルエンサーと強固な関係性が築けていれば②までは把握できるはず。
過去事例の相場としてフォロワー数の何%くらいが実際の投稿を回覧するか、
実際に投稿を行った後しばらくして回覧された数はどのくらいだったか、
前回のコラムでも記載しましたが、
ここらへんの情報はデジタルに詳細把握ができるからです。
これらの情報を全く開示できない会社は やましい事情があるのかもしれませんね。
◆ニセモノに騙されないために
ちなみに前回のコラムで公開した数字は実は筆者の手掛けるアカウントのもの。
Twitterで日本一フォロワー数が多い人は芸能人の有吉弘行さんですが、
共有回数が1万を超えた投稿数は彼よりも断然多いものになっています。
そこそこ影響力があるアカウントですが、
マーケティング会社が猛プッシュする(自称他称)インフルエンサーを良く見ると、
フォロワー数が多いのに筆者の手掛けるアカウントと比べ1%の反応も無いケースが散見されます。
逆にそんなアカウントを薦めてしまうマーケティング会社からは、
筆者が手掛けるアカウントに声がかかることは皆無です。
偽インフルエンサーの巣窟になっていないか心配させられます。
厳密には反応自体もお金で買えるのですが、
過去の投稿全てに自然な反応を大量に付けるのはフォロワーを買うよりずっと困難。
だからインフルエンサーに広告を依頼する前に、
最低限、そのアカウントの過去の反応数/反応率を一通り眺めておきましょう。
また実際にインフルエンサーマーケティングを行った後には、
実際の売上に近い指標の数値(前述の①や②)が自社で確認出来ます。
マーケティング会社から聞ける範囲の閲覧数や反応数(前述の③)と併せて効果検証を行いましょう。
今回は少しマニアックな販促の話を書きましたが、弊社では販促に限らず、
段ボールから警備サービスまで多様なジャンルの専門家が様々な間接材の調達をお手伝いしています。